岡田英樹建築設計事務所
代表 岡田英樹 / Hideki Okada

ル・コルビジェがつくったスイスのレマン湖のほとりに立つ母の家が好きです。

ル・コルビジェといえば言わずと知れた近代建築の巨匠、斬新な建築を多々作り上げ今日においても多くの建築家に影響を与え続けている建築家ですが、そんな当時新進気鋭の建築家が母のために作ったこの家になんとも言えない優しさが感じられるからです。

実物は見たことないのですが写真からその感じが伝わり、実際生活されていた時はお花や可愛らしい家具で母色に染まっていたそうでその時の写真を是非見てみたいです。

僕も独立する最初に実家の改装をしました。僕にとっては自分のこれからやりたいと思うことを実験する意味もありましたが、出来上がってみてしばらくするとコルビジェの母の家じゃないですが、母色に染まってきたんです。

母はお花が好きでそれこそコルビジェの母と同じ趣味なのかもしれません。僕はシンプルなものが好きだしどちらかというとモノトーンな感じが好きですがその意に反するように母色に染まっていくその感じがなんか心地よく感じられるようになってきました。

家ってそんなものかなと思います。そしてそんなおおらかに人を受け止め、使う人が愛着を持てる居心地のいい空間や建物をこれから作っていきたいと思うようになりました。

光や風、手触りや質感、緑、人間の五感を大切にし、そこにいるとなんか幸せな気持ちになれるそんな場所を作っていきたいです。